福祉のしごと その3

福祉のしごと

今まで初任者研修の事や準備しておいた方がいいものなどを書いてきました。

今回は私が今現在している訪問ヘルパーの仕事内容について紹介したいと思います。難しそうに感じる方もいるかと思いますが、意外と身近な経験がとても役に立っています。身近な経験とはどんなものなのかを具体的に書きたいと思います。

訪問ヘルパーの仕事に役立つ身近な経験

福祉の仕事というと、何となく敷居が高いというイメージがある人もいると思います。私自身も最初はそうでした。始めたてのころは仕事自体もそうでしたが利用者との接し方も不安だらけした。

ですが、始めてみると、特にこの訪問ヘルパーに関してはこんな経験が仕事で役に立っている・やってきておいてよかったなと感じる場面が結構ありました。それは特別なスキルを要する経験ではなくいわゆる日常生活の経験です。

例えば以下のようなものです。

調理

訪問ヘルパーは自宅に伺って生活のサポートがするのが仕事ですが、そのうちの一つに調理があります。必ずというわけではありませんが勤務の時間帯によってはあるので、調理経験があると生かせます。

具体的なスキルとしては、炊飯器でご飯を炊いたり包丁やフライパンなど調理器具を扱うことなど、いわゆる自炊ができれば役立ちます。

さらに飲食店などの調理経験があればなおいいと思います。仕事での経験があるのであれば調理時間を意識し準備から調理・配膳という流れも身に付いていると思うのでその経験はなお役立ちます。

ずいぶん前になりますが、ラーメン店でアルバイトをしていたことがあります。フロア(注文聞きや料理を客席まで運ぶ)も調理も行っていました。フライパンなど調理器具を使い限られた時間で調理し客席に運ぶという全体の流れはそのまま役に立っている気がします。身に付いたことは自然とそうしてしまうところがありますが、それがうまく生きていると思います。

注意点
ただ注意すべきこともあります。訪問ヘルパーはご自宅での介護・介助で、その利用者に合わせた内容になるので、知っている調理方法や味付けをそのまま行えばいいわけではないということは理解しておく必要があります。

好みや体のコンディションは人それぞれで違いがあるので配慮が必要になります。
自分とその利用者の違いだけでなく、複数の利用者を担当する場合は利用者それぞれで好みやコンディションが異なるので、それぞれに合わせた配慮が必要になります。

配膳

出来上がった料理を利用者の目の前に提供しますが、利用者によってその人が食べやすいように使用する食器が決まっていたり、皿や箸などを置く位置などを考えなければいけない場面があったりします。これもその人の状態に応じて、またその時の状態に応じて考えなければいけないのですが、接客経験があるとそういった場面でも対応がしやすいと思います。

上記にも書きましたが、ラーメン店に勤務していた時フロアで注文を取り、出来上がった料理を運んだりしていました。その際に行っていたことをこの仕事でもしています。

例えば、家族連れや人数の多いグループが来店した際は、取り皿や他の食器類が必要かどうかを考え、「取り皿ください」というリクエストがあるかもしれないと想定していました。考えて想定しておくことで声がかかったときに対応がしやすかったのを覚えています。

ヘルパー業務でも「この場合は何が必要になるかな」とか、「こういう場合はこっちに置いた方がいいかな」と考えておくと対応しやすい場面があります。何でも言われる前にやってしまうということではなく、あり得る状況に備えるという感覚です。

本人に気持ちよく食事をしてもらうにためにできることを考えることが大事なので、飲食店に限らず接客で同じように考えて仕事をしていた人はこの仕事でもその経験が役に立つと思います。

掃除

掃除機が使えて掃除機の中のゴミを捨てることができて、ほうきやちりとりが使えて、ゴミを分別して、使った道具をもとの位置に戻して等自分の家の掃除と同じ基本的なことができれば大丈夫だと思います。

ただ、ここでも注意点があります。

それはゴミの分別と処分してよいものかどうかの判断です。

分別に関しては自治体によって分け方が異なったりするので、自分の家と同じ感覚でゴミを分別したり、または分別を全く意識せずにゴミ袋に入れていたら回収してくれなかったという事態になる可能性があるので確認が必要です。

処分してよいものかどうかの判断に関しても確認が必要です。一見不要そうなものでも、人によっては大事に使う場合もあります。誰でもそういったことはあると思いますが私自身のことを例に挙げると、裏が白紙の折込広告はメモ用紙として使うというのが分かりやすいと思います。

人によって処分するものや処分するタイミングに違いが出てくるのでその都度確認が必要になります。

掃除自体は難しい作業ではありませんが、仕事であり自分の生活環境とは異なる場合があるという認識をしておかないと利用者の生活に迷惑をかけることになるので注意が必要です。

洗濯

とりあえずはどんなタイプでも自分で洗濯機を使ったことがあれば、訪問先にある洗濯機の使い方は次第に慣れるとは思います。配慮する点は洗剤や干し方・たたみ方です。これも人それぞれで何かしらの指示がある方もいればヘルパーに任せるという方もいるので、確認は必要になります。

洗濯に関しては面白いと感じたことがありました。それは洗濯物の干し方がヘルパーによって異なるという点です。
ヘルプ業務で訪問した際に、すでに洗濯物が干してあり取り込む作業を自分がする場合が多々あるのですが、干し方がいろいろあるのだなと感じたことがありました。

几帳面に干しているヘルパーもいれば、特に気を遣うわけでもなく干しているヘルパーもいたりで、面白いなあと感じると同時に、「なるほど、こういう干し方もあるのか」とその干し方を見習った事もありました。
ヘルパー同士あまり接点がなく教えたり教えられたりという機会が持てないのですが、こうしたところで思わぬ情報を手に入れることもあるのだなと感じた経験でした。

訪問ヘルパーという仕事の特徴は

訪問ヘルパーの仕事は、個人個人の生活の支援なので細かな気配りや確認が必然的に多くなり、そのためこれら以外にも考えることはたくさんあります。

ですが、掃除や洗濯といった身近な経験でも、それが仕事に生かせるというのはわかっていただけたのではないかと思います。

個々に対応する難しさはこの仕事ならではの特徴かもしれませんが、身近な生活スキルが役立つというのもまたこの仕事の特徴だと思います。


ちょっとは役に立つかも。
  • 普段の生活スキルが役に立つ
  • 個々に対応する難しさはある