福祉には興味はあるけどなかなか一歩が出ないという人もいるのではないかと思います。なぜそう思うのかというと、私自身がまさにそうだったからです。
そこで未経験の方の参考になればと思い、私が関わった中の一部を紹介したいと思います。
福祉の仕事の種類
福祉と言ってもいろいろな分野があります。よく耳にするのが高齢者福祉だと思いますが、それ以外にも障がい者福祉、児童福祉、母子家庭支援などのその他の福祉があります。また、仕事内容も事業所での事務的作業からヘルパーのような直接的な利用者支援まで様々で、各分野においてさまざまな職種が連携しながら支援を行っています。福祉の仕事専門の求人サイトもあり、それを見ると福祉と一言でいってもかなり幅があるということがわかると思います。
障がい者福祉
私が今までに関わったことがあるのは障がい者福祉分野で、具体的には就労支援、グループホーム、居宅介護(ホームヘルプ)になります。ちなみに居宅介護に似ている言葉で在宅介護があります。居宅介護と在宅介護は、根拠となる法律が違い、居宅介護は障害者総合支援法に基づくもの、在宅介護は介護保険法に基づくものです。簡単にいうと、居宅介護の対象は障がい者、在宅介護の対象は高齢者となっています。
今回は居宅介護(ホームヘルプ)の話をしようと思います。
居宅介護(ホームヘルプ)
仕事内容
ヘルパーが利用者のご自宅に伺い生活をサポートするのが仕事です。
内容は料理・洗濯・掃除や食事や着替え・排せつの介助など生活全般のサポートをしますが、一度にすべての事をするというわけではなく、利用者ごとに作成された計画に基づいて行います。始める段階では上記のいわゆる一般的なことができれば、もしくは仕事を通してできるようにするという心構えがあれば大丈夫だと思います。
ただ気を付けないといけないのは、「何かをしてあげる」ではなく、「利用者の意思に基づいて行う」、「利用者の希望に沿う形でサポートする」、というのが基本になります。
面接や研修・実習等で詳しい説明があると思います。
求人
私の今現在の雇用形態はアルバイトで、いわゆる登録ヘルパ―になります。派遣会社ではなく、その事業所に登録しているヘルパーです。
求人は常勤・非常勤・アルバイト・パートどれもよく見かけます。本業として探している方はそれはそれでいいと思いますし、興味はあるけどいきなり常勤でフルタイムはちょっと無理そうという人は短時間勤務で始めるのもいいと思います。
中にはアルバイトから正規の職員になった方もいました。登用制度があるところもあるので、少しずつ仕事の良さ・難しさ、楽しさを知り、知った上でその仕事を本業としていくというのは一番スムーズで無理のない仕事の選び方だと思います。そういった点も意識しながら求人を探すといいかもしれません。
事業所
事業所もいろいろです。例えばヘルパー派遣だけのところもあれば、移送事業も行っているところもあります。また、事業所の雰囲気に違いがあったり職員や登録ヘルパーの男女比が違ったりもします。どれが良いというわけではなくそれぞれ違いが当然にあるので、求人や事業所のホームページなどで、採用条件・勤務条件だけでなく、その事業所の雰囲気や大事にしていることなど確認するのがいいと思います。
勤務時間
日勤もあれば夜勤もあります。週一日3時間からOKというところもあります。ただ、希望がまるまるかなうかどうかは何とも言えません。相手の生活に合わせた形になるので例えば、こちらが月曜の9時から12時までの3時間勤務を希望しているとしても、10時から13時までという具合に少し希望とは違う形になるかもしれません。この辺りの調整をするのが事業所なので、面接の際そして採用後も所属事業所に相談してみるのがいいと思います。
勤務場所
利用者宅へ行くのが直行直帰の場合、通勤手段・時間を考える必要があります。始める前に想像するのは難しいかもしれませんが、利用者はどのあたりの方が多いのか、自分の場合どの地域の方を担当することになりそうなのか等ある程度のことは面接時に確認することをおすすめします。
ホームヘルプの資格
高齢者の介護施設など資格がなくても働けるところもあったりしますが、ホームヘルプには資格が必要になります。
私が修了・取得している資格・講習受講等は以下です。
・重度訪問介護従業者養成研修修了
・介護職員初任者研修修了
それぞれを簡単に説明します。
重度訪問介護従業者養成研修
簡単にいうと障がい者専門のヘルパー資格です。これは数日でとることができ、事業所が行っているところもあります。福祉事業所のホームページなどで講習の有無を確認することができます。いきなり講習を受けるよりも、まずは就業を希望する事業所がある場合はそこで講習が受けられるかを確認した方が良いと思います。
介護職員初任者研修
介護の資格で有名で聞いたことがある人もいると思います。基礎的な資格になります。重度訪問は対象が障がい者のみでしたが、こちらは高齢者の在宅介護も可能です。取得期間は最短で一か月くらいで取得できます。私は約一か月で取得しました。「最短で」と書いたのは、コースによって一週間の授業日数が異なり、週1日コースや、週4日コースがあるためです。私は週4日のコースだったと思います。これは福祉の専門学校のようなところが主催しているのが多く、開催期間や費用は様々なので調べる必要があります。また振り替え授業の仕方など細かな部分も確認が必要です。
その他
また、福祉関連というわけではありませんが勧めれて受講したものに救命講習があります。私が受講したのは上級救命講習です。
・普通救命講習・上級救命講習
AEDの使い方や胸骨圧迫いわゆる心臓マッサージのやり方を実践形式で学ぶ講習です。これを必須条件としているところはあまりないかと思いますが、ヘルパー事業所に限らず職場が推奨しているところもあるようです。
AEDは駅やコンビニなどで見かけることも多くなりましたし、仕事上だけでなく私生活でも役立つ講習なので受講しておいて損はないと思います。私は求人に応募する際、職務経歴書の端にアピールとして書いておきました。
これら以外にも資格はありますが、求人などでまず目にするのはこの辺りではないかと思います。
ホームヘルプは資格が必要になりますが、上記のように短期間で取得できるものもあったり、また費用を事業所である程度負担してくれる場合もあります。
仕事のために資格を取る人が多いとは思いますが、私が受講した時はその受講者の身近に介護が必要になりそうな人がいるという理由で受講している人もいました。
介護は日常生活にかかわることですし、受講しておけばどこかのタイミングで役に立つかもしれません。
最後に
今回は福祉の仕事の中でも障害福祉について、少しだけですが、書いてみました。
福祉関係の求人を見ていると、資格取得の支援だけでなく、事業所の見学ができたり、いくつかの事業所が合同で説明会を開いていたりと、仕事を知る機会を設けている場合があり、興味のある人にとって始めやすい環境になってきているといえるかもしれません。
- ヘルパーが行うのは利用者の生活のサポート
- 資格取得の費用をある程度負担してくれる事業所もある
- 仕事を知る機会がある